ToDo管理の日付項目の考え方について

Nozbeは日付を一つしか持たないが、これは、機能不足なのではなく、最大効率のための仕様だ。日付を2つ以上に持ったところで、効率性は高まらないのであれば、不要という潔さを理解したい。

Nozbeは日付を一つしか持たない。このことが意味することを考えてみよう。Nozbeが持つ日付は期日だ。他のツールでは、日付を複数持つものが多い。(1)開始日と期日を持つケース、(2)開始予定日、期日、完了日を持つケース、(3)開始予定日、期日、開始実績日、完了実績日を持つケース、(4)開始予定日、完了予定日、期日、開始実績日、完了実績日を持つケース、など。日付は多いほうが管理精度が高いというのは言えるだろう。

まず、共通するものに着目して、期日について考えよう。

期日を管理するのは、当然だが、仕事を終わらせることをコミットした日付を管理するためである。 コミットした日付がない場合には、その仕事はする必要がないわけではない。単に効率を考えて仕事をすればいい、ということを意味する。 コミットした日付がある場合、その仕事は多少効率が悪かろうが仕事を果たす必要がある。つまり、優先順位は、効率<コミットメントということになる。

(重要)コミットメントは、効率よりも優先順位が高いがゆえに、効率性を損なう。

例えば、締め切りが消印で本日の郵便物があったとしたら、家から5分かかる郵便ポストまで出しに行かなければならない。その場合10分かかる。一方で、他の用事のついでにポストに投函するなら、その時間は不要で0分。効率で考えたら他の用事があるついでに出すのがいい。

効率性を高めるためには、コンテキスト(上記の例では、近所に出かける)基準で、今行うことで一番効率的なものを実施するのがいい。コミットメントとなる期日を書くことは効率性を損なうが、常識的な優先順位に従えば、期日を管理することはやむをえない。

次に、開始予定日について考える。

開始予定日を管理するのは、期日よりも目的があいまいだ。通常は作業に要する日数を考えて、期日に間に合うように開始日を設定することになるのだが、要する日数は正味の作業時間というわけではない。途中で別のタスクを行う必要もあるのだから、正味の作業時間を見積もり、その日数を開始日にしたら、作業は期日に対して遅延する。また、開始日に遅れたからと言って、誰かにコミットしている日付ではない。また、その日付まで着手してはいけないということもなかったりする。

つまり、開始予定日はあいまいな日付が設定される恐れが大きい日付という事実を踏まえよう。

一方で、効率性の面で、開始予定日は意味がある。開始予定日その日まではそのタスクは忘れていていいということだから。人間、短期記憶のエリアは限られているので、忘れていいものは忘れておくことは頭の能率を高めるので、効率の面で効果がある。

Nozbeではどうやってこの開始日を管理しているのかというと、スターをつかって管理する。毎朝15分、タスクリストを眺めて、スターをつけ、そのスターのみを管理することになる。 効率の面では、毎朝15分、タスクリストを眺めなければならないということで、開始予定日を管理する場合よりも効率が悪いと見えるかもしれない。しかし、その実際は、開始日の設定があいまいにしかできないのだから、あいまいなものを見直しながら進めるのと大して効率は変わらない。スターのほうが日付より入力が簡単な分、効率的なのだ。

そもそもの話として、作業時間が複数日にわたるようなものは、本来、分解して実際に体を動かす内容にまで分解できていないのだから、その対策を打つべきで、開始日付を管理することで改善できるものではないともいえる。

(重要)開始予定日はあいまいにしか設定できない。タスクを分解して、その日の仕事をクリアにしたほうがよい。

あとは、完了日だが、大きな声では言えないが、完了日は実際には持っていて、みようと思えばみられる。完了フラグを入れた日だ。でも、完了日を見ることってあるだろうか。完了日が欲しいような作業は、作業記録をとるべきじゃないだろうか。僕は、これはTogglをつかって実現しており、Nozbeで完了日を見ることはまずない。いや、作業記録とToDoリストを一体化したいんだということなんでしょう。言いたいことはわかります。Nozbeでもできるのです。完了日付を変えられないけど。

ということで、Nozbeは、期日と実際の完了日を持つということでした。あれ、なんか最初と言っていることが違う・・・。