電車の中でこんなルールの記述があった。
非常用ドアコック
非常の場合にはこの腰掛の下のハンドルを手前に引けばドアは手で開けられます
みだりに車外に出ると危険です
もしも出るときは他の電車やおりる場所にもご注意ください
なお係員の指示があった場合にはそれに従ってください
素人の乗客が見て、扉を開けて降りられるとはわからない。扉を開けないというのは、暗黙にルールとなっている。
非常の場合以外、扉を開けてはいけない、降りる場合、注意しなければいけない、係員の指示があればそれにしたがわなければいけない、というのがルールの骨格である。
非常の場合というのは、定義が難しい。まず、限定列記するのは不適切だ。火事の場合、地震の場合、と書いたら、ゴジラが襲ってきた場合が含まれなくなってしまう。
このような場合、事後的に客観的な方法でチェックするという定義の仕方がある。現実的には、係員が判断するで良いだろう。
非常の場合以外、扉を開けてはいけない。非常で無く扉を開けた場合、係員が差し止めるので、従うこと。
このように、定義が難しいルールは、事後的な強制力を担保する措置をセットにしておくというのが有効だ。