戦略のない組織

戦略よりも実行が重要だという理解は、ある意味で正しい。しかし、それで戦略をないがしろにする理由にならない。ちぐはぐな施策ばかり出てくる組織は、戦略がないとまでは言わないものの、戦略をないがしろにしているとは言える。

戦略をないがしろにしてしまう原因のひとつに、規制の問題があると感じることがある。規制は、規制をテコとして活用する位置づける方法と、規制を戦略の実行コストと位置づける方法の2通りがある。

例えば、軽減税率対応は、事業者への規制の最たるものだけど、軽減税率の適用となるテイクアウトに着目しテイクアウトを他社よりも充実させるとすれば、それは規制をテコとした戦略と言えるだろうし、テイクアウトとイートインそれぞれの税率対応を低業務負担で実現するべきものと位置づければ、規制対応を実行コストとしてのみ位置づけることになる。

どちらがいいかを問題にはしないが、規制とは企業の戦略に介入するものであると言うことはわかると思う。規制過多の環境では、顧客よりも規制対応が戦略の重要な部分を占めることになることは、容易に予想される。